Silk

Silk (Movie Tie-in Edition) (Vintage International)

Silk (Movie Tie-in Edition) (Vintage International)

YL:? 総語数 約20000語 (概算) 所要時間 130分
最近まで映画化され上映されていた作品の英語版です。原作はイタリア語なので英語の翻訳本ということになります。著者は『海の上のピアニスト』を書いたアレッサンドロ・バリッコです。
映画自体は機会を逃し、観ていないので純粋に本を読んだ感想を書きます。
フランス人である主人公は蚕を売って村の財政源としていたのですが、疫病が流行り、良質の日本産の蚕を取りに行くことに。
妻は「あなたのことを愛している」と切に願っていますが、主人公は日本の地にて東洋の女性に焦がれてしまいます。
しかしそうなったいきさつがビックリです。決して単なる男性の欲ではなかった。3度に渡る日本とフランスの往復。この夫婦には子供がおらず、そして病に伏せる妻の最期の一言がなんとも切ない。物語の最後で真相が明るみになり、どんでん返しでした。
こういう愛の形もあるのか、と思わせる作品でした。奥が深いです。
英語訳本でしたが、ページ数当りの行数・文字数が共に少ない、1章が大体2,3ページで終わるのでとても読みやすいです。それにもかかわらず、ここまで表現できる文章とストーリーの構成力が奥深く、読み終わったあとは、いろいろな想いが湧き出てきました。
アガペーなのかな、これも。