仕事その他

朝日新聞3/26朝刊 「時流自論」より 執筆:本田由紀

若い人たちへ。今、この国には、いびつなところが従来よりもいっそう目立ってきているようです。様々な社会領域や組織が、それぞれ閉ざされた中で最大限の効率性を追求しているために、生身の人間にとってとても息苦しく、何のためかも分からずに駆り立てられることが、そこらじゅうで起きています。
たとえば仕事の世界では、責任が重く複雑な仕事をいきなり担わされ、その役目を果たそうと必死で働いた結果、疲れ切って心身を壊し辞めざるをえなくなったケースがたくさん報告されています。逆に、単純な繰り返しの作業を与えられ、給料も低いままで、将来の展望を全く持てないような職場も数多くあります。
(中略)
憂鬱な話をしてごめんなさい。私が言いたいのは、こんな状況の中であなたたちが苦しんでいるとしても、それはあなたたちが悪いのではない、ということなのです。若い人たちがのびのびと呼吸できる環境を作り出すのが、私を含めた年長者の務めなのに、それができていないということなのです。
ただ知って欲しいのは、しなやかでじっくりとした発想に基づいて、。肩ひじ張らずに、NPO労働組合を自分たちで作るなど新しい社会や自分を作り出すための具体的な行動を取り始めている若い人たちがたくさん現れていることです。
だから、あなたが今苦しくても、あきらめてしまわないでください。今いる場所に違和感が強くても、その外には様々な人や場所があり、あなたが自然な笑顔を持てるかもしれません。
そして、今いる場所やこの国のおかしさを、あなた自身が変えてゆくこともできるのです。
私が出会ってきた、新しい試みに取り組んでいる若い人たちには、これまでの行き方にいくつかの特徴がありました。そこから、あなたたちが荒れた環境を乗り越えてくれるためのヒントを示したいと思います。
そのひとつは、周囲に対する疑問を押しつぶすのではなく、それを考え続けることです。そして動きながら考えるということです。じたばたと動き、ごつごつと周囲にぶつかることが、自分の輪郭をよりくっきりと描くことにつながるのです。
もうひとつは、すでに揺らいでいる「標準的で安定したルート」の外側でもくじけないで生きてゆくためには。垂直の軸と水平の広がりを持つことが役立つということです。垂直の軸とはその人を貫く目標やそのための手段です。これは自分にとって大切なことだ、自分には少なくてもこれができる、と思える何かです。
水平の広がりとは、あなたとかかわりをもつ人々です。できればあなたと年齢は立場がことなる人々がその中に含まれていた方が、あなたは倒れにくくなるでしょう。そして。もし水平の広がりが狭く薄くなっても、垂直の軸があれば何とか耐えられます。逆に垂直の軸が弱くなったときに、水平の広がりからそれを再び強くするエネルギーをもらえることもあります。
もちろん、今述べたことを個人の努力に帰するのではなく、それが自然に可能になるような制度やしくみを、十分に整えていくことが不可欠です。でも、それにはまだ時間がかかってしまいそうなのです。だから、どうか顔を上げて日々を生き続けて、あなたのいる場所を、この国を、そして世界を、少しでも良い方向に変えてゆこうとする静かで確かな動きに、あなたたちも力を貸してください。

上記のような考えをもつ人がいることにはっとさせられました。今日家に帰ってから前職を辞めたときの色紙を見直したのですが、「○○さんにしかできないことを見つけてください。頑張っている○○さんを応援していますよ」とお世話になった上司からの言葉を見て改めて私に出来ること、これなら自信をもてる、と言い切れることを磨いていきたいとつくづく感じました。その色紙をよく見てみると私の笑顔についてたくさんの人から言葉を頂戴していることに気づきました。自然な笑顔が消えないように健やかに過ごしたいものです。


先週から色々あって心が落ち着かず、今日も電車に乗って私は座っていたのですが、同じ車両内で他の人たちが体がぶつかっただの、喧騒、罵声が始まり、怖くて怖くて仕方ありませんでした。座席に座っているのに心が潰されそうで倒れそうでした。家に帰っても安らぎません。いつになったら心の平穏を取り戻せるのか、自分で自分のことがいたたまれないです。