図書館より

教育力 (岩波新書)

教育力 (岩波新書)

教えるというのはどういうことなのか、子供達のテストの点数で分かるのは子供の学力ではなく、実は教える側の力量が数値として現れている、という記述には納得させられました。
仕事でも何でもそうですが、人に何かを伝えるときに自分の話に興味を持ってもらうように仕向ける力量が問われる世の中だなあ、とつくづく思います。
力ずくで黙らせても納得しない、言うこときかないから体罰をする、という教師は話す力、伝える力、子供達に接するときに興味を持たせたり、納得や理解をさせることができないということを自らアピールしているだけなのです。
昨日N氏と話していたのですが、たとえ相手が上司であろうとこちらから正論を言って相手には言い訳や反論を言わせない、それくらいの力量が必要だな、と思っています。今の会社の環境ではまずこういうことはないですが、上司を納得させる何かの提案などはどんどんしていこうと思いました。



赤ちゃんの値段

赤ちゃんの値段

望まない妊娠によって生まれる赤ん坊が海外へ引き渡されている…。そんな現実が日本にもあり、しかもそれを取り締まる法律が存在しないことから行政の実態把握が調査どまりで終わってしまっている。
しかも養子凱旋が終わったあとの子供の成長を把握している業者はほとんど皆無。児童虐待、チャイルドポルノや臓器売買の対象にだって成りかねない。
養子凱旋の届出を出している団体は8団体のみ。氷山の一角で水面下で養子凱旋している団体はもっとたくさんあるのでは。
日本は世界の中でもトップクラスにはいる養子斡旋が行われている国だそう。
妊娠22週を過ぎると母体保護法により中絶は禁止されています。生むしかないのです。
そこで自由診療をいいことに法外な値段で中絶させる医師、中絶できないことを理由にひとまず赤ん坊を生ませて日本での孤児の扱いは世間的に厳しいこと、乳児院に引き取られるより海外で裕福に育ったほうが子供にとって幸せである、と表面的に考える凱旋業者。
日本人の赤ん坊は薬に染まっていない、元気で海外では人気がある。他の国の赤ん坊の2倍は値段がかかる。
中国では一人っ子政策により男子を尊重する傾向があり、養子凱旋のほとんどは女子であること。
日本人の赤ん坊の引き取り手は日系のアメリカ人夫婦であること。
不妊治療が上手くいかず子供が生めない、だからといってお金を払ってまで子供をもらう、というのはいかがなものか。
子供ができないのはさぞかしもどかしいし将来の不安もあるだろうけれど、結局子育てを経験したい、自分達の老後を心配しているだけで養親の欲望にすぎないのではなかろうか。
一人目は健常児でもう一人養子が欲しいなら2人目は障害児になる。その他、障害児なら健常児の半分の値段、なんてどういう考えをしているのか。
巻末に法案例が掲載されているのだが早く施行してもらいたいです。
その前に「望まない妊娠」をしないための性教育を進めることのほうが大事かもしれません。
単なる男と女の違いを説明するレベルではなく。小学生でも妊娠する例もあるそうですから。