図書館より

話し上手 聞き上手 (ちくまプリマー新書)

話し上手 聞き上手 (ちくまプリマー新書)

著者が学生に教えている講義の3日間の内容を本にまとめたものです。1日目までは自分で何とかできるのですが、2日目以降の課題は集団でいないと難しいと思います。宿題メールの勉強会などでやったらおもしろいかも。集団でこなす課題をしてみたら、色々な側面の自分を克服できるかもしれません。

授業1日目

  • まず話すより聞くことから始めよ
  • 授業で小学生向けの本を読むと、子供は家に帰って必ずお母さんにそのことを話す。

「今日読んだ本はこういう話でこんなことが書いてあったよ」と。お母さんはここで話を聞かないと、その子はだんだん本を読まなくなる。

  • 話し上手になっていくためのきっかけを作ってくれるのはお母さんのような存在。安心して話せる相手。途中で話をさえぎったり、否定したりしない。時間も自由に喋らせてくれる、そんな存在が必要。
  • 相手に上手に話させることによって、相手が落ち着き、自分自身で課題を見出していく。自分で自然と問題を克服していくというのがノンディレクティブ(指示を与えない-こうしなさい、ああしなさいと言わない)なタイプのカウンセリングの手法。
  • 話す効用は「ああ、そうだ」と思い出すこと
  • 話している途中に「そういえばこんなことがあってね」と思いつくことが非常に大切。それがアイディアを生み出すきっかけになるから。普通の会話でいうと変化のある会話につながる。会話が上手にずれていく、ここでは「方向性がうまく変わる」ということ。
  • 文脈を断ち切らずに「ああ、なるほど、そうですね」といいながら、すうっと違う話に持っていくのが「ずらす」技の初歩。
  • 説明をされているときはメモをとる。あとで自分でもう一度再生、復習できるようにするため。人の話は分かったつもりでも、もう一度再生しろと言われたら、再生できないことがほとんどである。
  • 聞いただけでは話は定着しない、しかしそれを再生すれば記憶に残るようになる。つまり話すことによって定着させる。だから同じ話を2,3人に向かって続けざまに話すと話は完全に定着する。古典落語のように何度も話しているうちにうまくなる。
  • 話すことを前提に聞く、そしてメモをとる。3色ボールペンを使い、非常に大切なところは赤で、まあまあ大事というところは青で、自分で考えたり、思いついたりしたことは緑でメモする。
  • 緑で書いたものが大切で触発されて思いついたこと、これを質問したいということ、自分はこう思う、といった考えを緑でどんどん書き入れる。緑の部分で一番いいものを相手に質問したり意見を述べたりすることで、質問力、コメント力がつく。
  • あやふやな知識はそのままにしておかないで電子辞書でそれを確認し、そのつど話すようにすると知識が定着する。ジャンプ機能を活用して複数の辞書で芋づる式に調べていく。知識というのは芋づる式につながって記憶するのがいちばんいい。
  • 話を聞きながらいつも質問をメモする習慣をつけると、質問力は上達する。質問事項をメモする人は少ないので実践してもらいたい。
  • 名前を覚えるのに名刺がない場合は、紙に座った配置通りに名前をメモする。メモを見て名前で呼び合いながら会話をするとけっこう話がスムースに進む。