図書館より The Blue Bedroom and Other Stories 

ロザムンドおばさんの贈り物 (講談社ワールドブックス)

ロザムンドおばさんの贈り物 (講談社ワールドブックス)

YL 7.8 総語数 74,119w
13話からなる短編集。どの作品も微妙な人間模様を描いていて心が和みました。短編集は集中して読めるし、登場人物も複雑にならずに済むのが嬉しいです。

  • Toby : 年の差があっても仲の良かった近所に住む年老いた老人が突然亡くなり少年はショックを受けるものの、祖母の言葉で死を受け入れます。
  • Home for the day : 仕事で忙しい夫が風邪で一日家で過ごしたときに、妻の主婦業がいかに細やかな気配りをしていることに気づき、妻のお陰で自分の家には快い空気があることを知ります。
  • Spanish ladies : 祖父が急死し、悲しみのあまり、なかなか葬儀が行われている教会に入れないけれど、姉の結婚式にも参列しなければならないLaurie。しかし祖父は自分の命が短いと知って、姉の結婚式に対して延期しないようにと言い伝えていました。
  • Miss Caneron at Christmas : 58歳の独身女性は近所に住む一家の母親が出産のために第1子のBryonyを一時的に預かります。
  • Tea with the Professor : 若い未亡人が突然大学教授とお茶することになるのですが、それを仕掛けたのは未亡人の10歳である息子。やるなあ、と思いました。
  • Amita : 人種差別についての話。どんな人間だろうとお互いにわかちあうべきものがあるのだ、と悟っていきます。
  • The blue Bedroom : 14歳のEmilyは母親の突然の陣痛に戸惑いつつも、けなげに対処し、アイデンティティーを確立させます。女性同士ならではのお話です。
  • Gilbert : 再婚したBillは妻の子供達の父親になります。二人の娘が可愛がって飼っている金魚Gilbert が突然動かなくなり、それをめぐって父親が娘達の信頼を得ていきます。
  • The before Christmas present : 娘が自立し、家事以外に何か打ち込みたいと思いつつ作家のRuthに会いに行き、友情あふれる会話をしていきます。
  • The white birds : 娘が予定より早く産気づいて不安な母親。出かける準備をして汽車の時間まで犬を連れて浜辺に出るとカモメに出くわし娘の象徴のように感じます。そして翌朝、孫と共に大空を渡る12羽の白鳥に出会い、思いにふけるのです。
  • The tree : ちょっと陰気な老人と若夫婦のお話。
  • The house on the hill : 自然の美しさや厳しさを知った少年と、妻を亡くした元大学教授が互いに心を交わす話。
  • An evening to remember : 一日早く来客がやってきてパニックになった妻は玄関をしめてしまうのだが、再び扉を開けて来客を迎え入れ、準備がまだである状態を夫と協力してどうにかして切り抜けるお話。この話が一番面白く読めました。

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The Blue Bedroom and Other Stories

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