図書館より 知的複眼思考法

生活のあらゆることに対して、考えることってよくあることです。
でも考えようとしても、どうやって答えや解決法を導き出すのか、イマイチ具体的な側面にかけていてもどかしい思いをよくします。
物事をあらゆる側面から見ることで、考えたことから単に答えを導き出すだけでなく、新たな発見があったり、気付きに出会えたり、そんなことをどうやって落とし込むか、論理的に語ってくれてます。

本だけ読んでても分かったつもり、知識は本を読むことで埋められるけれど、意外と数年後にはその知識は記憶にはあまり残ってない。では本を読むことで何を得たのか。『考える力』を本を読むことで身につけることができた、と著者は述べています。
その『考える力』を養うのに、どのように本を読むか、ということから説いています。
自分なりの視点を持てるようになりたいものです。

序章

  • 複合思考とは、ありきたりの常識や紋切り型の考え方にとらわれずに、物事を考えていく方法のこと。
  • 『常識』にとらわれないためには、何よりも、ステレオタイプから抜け出して、それを相対化する視点を持つことが必要。
  • 知識も大切だが、『正解』がどこかにあるという発想からは複合思考は生まれない。

第1章 創造的読書で思考力を鍛える

  • 著者と対等になって文章を読む。書かれたものを不動の完成品だとは思わないこと。

批判的に読書するためにとくに重要な4つのチェックポイント

    • 著者を簡単には信用しない
    • 著者の狙いをつかむ
    • 論理を丹念に追う、根拠を疑う
    • 著者の前提を探り出し、疑う

第2章 考えるための作文技法

  • まず結論を先に述べてから、その理由を説明する
  • 理由が複数ある場合はあらかじめそのことを記述する。説明をいくつかの側面から行う場合も同様。(その理由を○と△に分けて以下に説明しよう)
  • 判断の根拠がどこにあるのか、明確に示す。(〜という点で、〜によれば)
  • その根拠にもどづいて、推論をしているのか、断定をしているのか、分かるようにしておく。
  • 別の論点に移るときは、それを示す言葉を入れる。(もうひとつの問題点は…)
  • 文と文がどのような関係にあるのか、接続詞を入れる。
  • ひとりディベートをやってみよう。
  • 自分で仮想の立場を複数設定して、それぞれの立場から批判や反論を試す。
  • 立場の違う反論によって、書き手側から複数の前提も見えてくる。
  • 反論や批判は、頭で考えるだけでなく、文章にして、論理の甘さを見えてくるようにする。
  • 批判や反論はそれに対する代替案を出してはじめて、認められる。でないと単なる否定、非難になってしまうから。

第3章 問いの立て方と展開の仕方 考える道筋としての問い

  • どうなっているか、という問いは答えを調べれば解答があることが多い。
  • なぜ、という問いは考えることを誘発する
  • なぜを問う『因果関係』には他の条件の同一性を含むかを見極める
  • 原因だと思われている要因が、実はあまり重要でない場合(擬似相関)に着目する。原因以外の要因が影響を及ぼしていないかどうかに目を向ける。他の社会や組織、違う時代との比較が有効なヒントを与えてくれることがある。
  • 最初の投げかけを複数のグループに分ける。
  • 『なぜ』と『どうなっているか』の組み合わせで問いを展開していく。
  • どんな要因の影響があるのかを見当つけながら問いを分解していく。
  • 新しい概念の発見によって、新しい問題が見えてくる。
  • ケースのレベルと概念のレベルの使い分けのよって、問いを展開する。問題の一般化と具体化に対応する。
  • 2つ以上のケースを比較することで、両者に共通する特徴を概念としてつかみ出し、概念のレベルで原因と結果の関係を表現しなおし、それを他のケースに当てはめてみる。

第4章 複眼思考を身に着ける

  • これから行おうとしていることが、どんな副産物を生み出す可能性があるのか、波及効果を広い範囲で考えておく。もしかするとその副産物によって当初の意図がくじかれてしまう可能性があるかどうかを考えて実行する。
  • やろうとしていることに抜け道がないか。そういう手立てを使う人がどういう人か、それにより当初の計画がどのようなダメージを受けるか、考える。
  • 自分たちのやろうとしていることは、それぞれが集まった場合にどのような意味を持つのか。他の人や組織も同じようなことをしたら、全体の影響はどのようになり、当初の意図とどのように崩れる可能性があるか、考える。
  • 計画や予測を表明すること自体が、どのように跳ね返ってくる可能性があるか、考える。
  • 『なぜ、それが問題なのか』に着目することで、ある問題を問題とみなす視点は何かを捕らえる。
  • 同じような事柄でも問題にする視点によっては、問題の捉え方や、問題の仕方が違ってくることに注目する。
  • ある問題がクローズアップされることで、隠れてしまう問題がないか注目する。
  • 問題の文脈に目を向けるために、誰が得をするのか損をするのか、その問題が解けたらどうなるのか、を考える。