「本」 図書館より 「グズ病」が完全に治る本

「グズ病」が完全に治る本―[言い訳]の生活から[すぐやる]生活へ! (知的生きかた文庫)

「グズ病」が完全に治る本―[言い訳]の生活から[すぐやる]生活へ! (知的生きかた文庫)

何かにつけてやれなかったことが行動に移せるようになる、という本です。いわいる先延ばしをいかに防ぐか、なかなか興味深く読めました。

グズ克服のためのチェックシート

    • 課題
    • 課題達成までの推定時間
    • 達成期限
    • 失敗したときに、これまでに使った言い訳
    • 課題を達成するためにどんなテクニックを使うか
    • 課題を達成することで得られる恩恵
    • 今後使おうと考えている手段
    • 心をリラックスさせるために何をしたか
    • 再検討/修正日

先延ばしグセの克服

  • 変わろうとするための6つの段階 
    • 「考える以前」: 抵抗の壁を自ら築いて、行動することを拒否している
    • 「考える」: 自分の問題を認識し、その原因を探ることから”克服へのカウントダウン”が始まる。考える段階にとまりつづけるとこれまた先延ばしが起こる。分析麻痺状態に陥らないようにする
    • 「準備」: 意思を決定し、それに関わっていくための時期。毎日の勉強や家事のスケジュールをつくり、勉強計画を立てる
    • 「行動」: 必要なのは、周囲の声に惑わされず、思いきって新しい一歩を踏み出すこと。変化に伴う不安はこの段階でピークに達する。
    • 「維持」: 逆戻り現象が起きても寛大に、たとえ小さな一歩でもたいした進歩だと考えて再び自分の目標に挑戦を続ければいい
    • 「終了」: 恐れに立ち向かい、行動に向けて自分を駆り立てることに成功している状態。毎日やるべき仕事(勉強等)のノルマを自らに課す。自分が変わることを決意し、必要な知識を身につけて、具体的な計画を実行することによって、誰でもグズを治すことができる


すべての段階に共通すること

    • あなたを助けてくれる友人、家族、同僚、セラピストを見つける
    • 自分が変化の段階のどのあたりにいるのかを常に知る


「ムラ気」を「やる気」にさせる

    • まず一歩前進するためには、目標達成を遠ざける障害物は何であるかを見つけること
    • 気分が乗らないという言い訳は、無理やりでも気分を無視して行動すれば解決する
    • 一番大きな目標を達成するために時間を確保すること
    • 自分ではなく他人の基準を満たそうとして頑張ると、失敗したり拒絶されるリスクが生じる。激しい不安や恐れが生じると、行動はすっかり抑制されてしまう
    • 完全主義は自分を守るためのものであり、なかなか簡単には捨てられないが、まずは自分のうちにある完全主義を認めること。それから健全な習慣をつけ、恐れをコントロールする方法を身につけていく。こうすれば克服することは可能である
    • 一つのことが完結するまで、次の事には手を出さないと自分に約束すること。意識が変われば行動が変わる
    • トラウマに惑わされず、課題そのものと、課題に対する感情とを区別する。これには訓練も誠実さも必要である


もっとシンプルに

    • 不安は現実をゆがめて考えることから生じる→ゆがんだ「自動的な思考」
    • ゆがんだ「自動的な思考」は後天性な反応であり、そういう思考がよぎったら一度リセットし、現在や未来について違った角度から考え直す
    • 問題を必要以上に深刻に捉えないこと
    • 自分の力によって人生はコントロールできる。×絶対的な力によって自分の人生がコントロールされているのと勝手に思いこまないようにする
    • すべてを二者択一で考えるのではなく、すべてをゼロから作り直す必要はない
    • 自分の言動に神経質になりすぎず、物事を総合的にみること
    • マイナスの深読みはしない
    • 思考日記をつける

  「日付」「時」「場所」「行動」「その場にいた人」「自分の思考」
以上から「グズの思考に頻繁に陥る時間」「グズグズしてしまうときの共通する場所」「どんな行動をしているときにグズに陥りやすいか」「誰がその場にいるときにグズになりやすいか」を見極めていく

    • ゆがんだ思考を見つけ、そのタイプを特定し、合理的な考えに切り替える、ことを繰り返す


「自分をしばる」のをやめる

    • 自分に向けられた非難をかわす
    • 「自ら行動を起こす」と宣言すると、厳しい非難の矛先をかわすことができる
    • 自分で考えて決断すれば、他人の意見に左右されること無く、積極的に物事に取り組める。反抗する相手も怒りや恨みを感じる相手もいないからである
    • 難しい問題を抱えている人は現実以上でもない、ありのままの自分を見つめている。だから非現実的な楽観も、絶望もしない
    • 「難しいけれどやってみよう」と挑戦する、つまり目の前にある課題を、難しく考えすぎず冷静に見つめて受けて立てば、必ず道は開けるのだ
    • 「私は〜したい」と考えることで感情的になるのを避ける。考え方が変われば、目標へ向かう意識や誠実さが高まり、あなたは課題の達成に向かって進むことができる


身近なツール

    • 必要な時間を正確に予測できるというのは、貴重な技術だ
    • 課題を細かく分析すれば、不安や不満を感じずに済むし、避けたい気持ちもさほど生じない(サラミ・アプローチ)
    • 細分化法を効果的にするには、課題の中で自然に分割できるポイントを見つけること。それでも抵抗感があるならばやる気がでるまで細分化しつづける
    • やるべきことのリストを作ると決めたら、課題の達成期限を設定する
    • 明日とは具体的にいつかを特定すれば、「明日になったらやろう」という言い訳は避けられる
    • 「あと」というときは絶対やってこない
    • 課題をどうしても先延ばししてしまう場合は、その課題を絶対に思い出させるような工夫をしてみる。予定を書きこんだカレンダーにすべての期限の印をつけるなど。毎日、何回でも期限を思い起こせばいいのだ
    • 時間の見積は慎重にしすぎないこと
    • スイスチーズ:チーズの穴のように仕事に穴を開け、その時間を利用して大きな課題に挑戦していく方法。5、10分でよい。毎日数分ずつ仕事をすれば1ヶ月すると驚くべき仕事量をこなしている
    • 決めた時間で繰り返し練習する。決めた時間内でやめてはいけないし、逆に時間を超過してもいけない
    • 仕事場を機能的に整えれば、仕事はずっとやりやすくなる。仕事場を仕事専用の場にする。デスクには家族の写真、私用のメモも貼らない
    • ツールは上質で楽しい物を備えておくと課題に取り組む意欲が高まる
    • 課題に負けそうなときは、簡単には手に入らないご褒美を選べば効果てきめんだ
    • セルフモニタリング:先延ばしをしている事項を自分でわかっているならば、行動の記録をつけてみる


仕事中のグズ対策

    • 「期限」を決めることで多くのことは解決できる
    • 時には大雑把が先延ばしを防ぐ
    • 一度書類に目を通す。
    • 他人に仕事を頼む。できればいつでも、時間的に余裕があって関心も経験も持ち合わせている人に任せる。一人で仕事を抱え込むクセのある人は、特に心がけること
    • 仕事についてできるだけ知識を持ち、関係者や昔の担当者から話しを聞く
    • 大きなプロジェクトを細分化したら、そのひとつひとつに自分で期限を決める
    • やるべきことのリストを持ち歩き、一つの仕事に集中しすぎて他をおろそかにしない
    • 物事をきちんと最後までやり遂げる能力が低下していると思ったら「もうダメだ」と結論付ける前に、好奇心を取り戻すための手段をとる
    • 今の生活で「仕事以外に占める時間」について考えてみよう。十分な休息と楽しみを得ているだろうか。レジャーの計画を練り直す必要があるかもしれない。
    • 適切な目標をはっきり決めることから、1日の仕事をスタートさせる。目標をはっきり決めていないから、果てしなくどこまでもやろうとするのだ。
    • 急がないこと、休息を取ること。一定の仕事をこなしたら、ご褒美として休息を取る。
    • 今に集中すること。仕事以外のことをぼんやりと考える代わりに、目の前の仕事に集中する。余暇を過ごしている場合も同じ。仕事のことを考えず、楽しみに集中しよう
    • 自分の仕事を楽しみながら、一定の成果をあげている同僚とつきあうこと。あなたとは異なる仕事の取り組み方、物の見方を知ることで、心に余裕が生まれるはずだ


自分の怒りを認識してコントロールする

    • 怒りを抱えているのに、自分を偽ってはいけない。怒りを否定し別の感情にすり替えるのではなく、フラストレーションを大いに表現すること。そうすればあなたが抱えている問題を自分にも他人にもはっきりさせることになる。
    • 行動に移す前に結果を考えること。その行動のツケを払いたいを思うか?怒りで行動するときには、自分だけの思いこみで、その政党性を自分に言い聞かせようとしがちだ。そこばかり考えるから結果に頭が向かない。結果を考えるクセをつけよう
    • 状況をよく考える。望んでいるのはこの状況を2度と繰り返さないことだ。いかにしてこの状況に陥り、いかにすれば将来こういうことを避けられるのか、理解に努めること
    • 他人を傷つけるようなことを言ったり、行動に出たりする前に一歩引いて考えること
    • 他人と理解し合うために言葉を尽くす。他人を非難する言葉ではなく、自分の気持ちを表現するための言葉を選ぶこと

先延ばしの罠を避ける方法

    • 批判されるであろうことをあらかじめ想定する。自分のアイディアの実行可能性を探っておく。完成品を発表する前に、同僚に自分の企画を相談し、意見を聞いておく
    • 同僚の意見を参考にして、予想される反論を考え、それに対する合理的な答えを練習する
    • 最悪の反応を予測する。それから敵に対し冷静に接している自分の姿を思い描く
    • あら探しをされると予測する。批判したり競争したりすることは仕事には必要なのだ
    • 仕事を持ちながら自分の勉強をしている人は、実行できる計画を立て、勉強に取り組んでいる。
    • 効果的な勉強計画を立てるには、学習量やそれに要する時間をはっきりと認識しなくてはならない
    • 計画は新しい習慣を作る大きな推進力になる。成功を目指して全身全霊で打ち込むことだ
    • 合理的に時間を割り出し、課題全体の期限を決めてカレンダーに書きこむ
    • 勉強する場所を1ヶ所選ぶ
    • 時間配分をする(50分勉強したら2分休憩)
    • 勉強時間を記録する。実際に集中した時間を毎日記録するのだ
    • 準備をする。照明は適切か、楽な椅子に座っているか、必要な物は目の前に揃っているかをチェックして初めて勉強する態勢が整う
    • 勉強仲間を見つければスケジュールも守りやすくなり、課題もさらに楽しくなる。
    • とにかく勉強をはじめてしまえば、自然に集中力は高まっていく。


グズの根を絶つ

    • 先延ばしをする人はたいてい自我意識が強く、自分の評価を気にする。人前で話すのが苦手な人も多い
    • 結果を重視することから恐れが生じ、行動にブレーキがかかってしまう
    • 自分がどのくらい上手に出来るかということで、自分の価値を決め付けないこと
    • 精神面でも感情面でもよい状態を保ってこそ、人は活発に行動できるようになる。つまりストレスをコントロールすることが非常に重要なのである