シャガール展 ロシア・アヴァンギャルドの出会い
http://marc-chagall.jp/
シャガール ロシア・アヴァンギャルドの出会い
東京藝術大学美術館にて
そういえばいつまで開催されてたかな〜、サイトを確認すると今日までじゃないの!
即、オンラインチケットを購入し、上野へ。
シャガールの絵の中にいる動物のモチーフはヤギさんのイメージが強かったけれど、あれってロバだったのね(・_・?)
彼の作品の多くに赤、緑色、ロバのモチーフがたくさん見られました。
ロシア革命後、パリに移住したけれどナチスドイツがパリを占領し、アメリカに亡命後、パリに帰国する直前で前妻ベラを亡くすとは。
争いごととか、人の汚い内面を絵で表しているときのシャガールの絵はおどろおどろしいけれど、ベラと結婚したときの幸せに満ちた緑色の感じとか、再婚したときの『Dimanche』(日曜)なんて、パリの風景も故郷のヴィテブスクも人生の全部って感じで表現されているし、黄色がほんわか使われてて幸せ感いっぱいって感じ。
最後は満ち足りた人生だったんだろうな。
Autour d’elle(彼女を巡って)はいたたまれない。パリに帰国しようってときにベラが亡くなって悲しみいっぱいの絵。青一色。それでも鳩が出てくるあたり、彼女をとても愛していたんだね。
同時期に活躍したロシアの画家、ゴンチャローワの『収穫物を運ぶ女たち』は観てて力強さを感じました。
色彩も青、茶、黄土色が多くて、線も観た感じはベタなのに、動きがあるのです。
収穫物を運びながら彼女たちから歌声が聞こえそう。
あと面白かったのは、1967年メトロポリタンオペラでのこけら落としで『魔笛』を上演するのに彼が舞台に関わるデザインをすべて請け負ったこと。
とても斬新なんだけど、台本をすみずみまで読んで、自分なりに解釈しないとあれほどのイメージは沸かないでしょう。
今回の展示はデザイン画がほとんどでしたが、やっぱり動物に目が行ってしまいます。
ひとつだけ明らかに絵のタッチが青と茶の、それこそゴンチャローワ風なシンプルなものがあって「どう見てもイタズラっぽい?」と思わずにはいられません。
いや、手を抜いたとは思ってませんよ。なんとなく。
あと動物が2匹、なぜか会話している絵もこれまた突っ込みたくなるような面白さでした。
シャガールのドキュメンタリー映画『ロシアとロバとその他のものに』が上映されていたのですが、彼の一言が面白い。
痛烈なんだけど、批判はしてないという感じ。
「オレは頭の悪い奴は相手にしない」
あはは。
私もこの台詞を言いたくなるシチュエーションが最近多いですが、何か(>_<)?
ロシアの同時期に活躍した画家と比較展示されるというのもなかなか面白い取り組みかと思います。
今回の作品はポンピドー・センターがほぼ所有しています。
何度かこの美術館の所蔵作品の美術展に行っているので、いつか現地に訪れてみたいですね。遠い先の野望になりそうです。